水分補給と脱水

生命を維持するための物質代謝は細胞の中で水の存在のもとで行われ、血液などの循環は水分の量によって大きく影響を受けます。このように水は生命活動に欠くことのできないものです。水が不足すると、健康や生命の維持に大きな影響をもたらします。

1日に必要な水の量

一般的にいわれるのは、

  1. 食事から1000ml
  2. 飲み物から 1000~1100ml
  3. 代謝からつくられる 300ml 合計2300~2400ml です。

 口から摂取しなければならない水の量を、「食べて1000、飲んで1000」と覚えてください。

人は食べることをはじめ、何もしないで寝ているだけで、肺と皮膚呼吸から 20ml×(体重)kg の水分を失います。(例:体重50kgの場合20ml×50kg=1000mlの水が何もせずに失われるのです。)気温が高かったり、発熱、下痢、嘔吐で水分を失う条件が加わるともっと失うので、たくさん摂取しなければなりません。

  • ※心不全では水分制限あり、摂る水分の量は医師の指示どうりにしましょう。

 

食事の摂取量が少なくなる傾向のある高齢者では、脱水になりやすいので特に注意が必要です。脱水症を起こさないために、脱水についてよく理解し、水分を上手に摂る工夫をしましょう。

脱水は、こんなときに起こる 

・高温の環境、重作業、激しい運動などにより、多量に汗をかいたとき。

・下痢や嘔吐をしたとき。

高齢者に脱水が起こりやすい理由

・水分摂取を控えている(失禁・頻尿を恐れて)
・利尿剤を使用している
・発熱、嘔吐、下痢など
・基礎代謝量の減少
・腎機能の低下(加齢による)
・体液量の減少(水の貯蔵が少なくなる)

嚥下障害等で水分が摂りにくいとき

背筋をのばして、ストローで飲むことが一番楽となります。水を飲むときに、むせたり、口角から水が漏れるようならストローやゼリー等の水分補給を行うことで誤嚥を避けることができます。

 

 

脱水にはスポーツドリンク
脱水をすると、体内から水分といっしょに塩分も失われます。スポーツドリンク(イオン飲料水)は塩分が含まれているため体内に吸収されやすく、体が必要としている塩分も摂取できるので、利用しましょう。(うすい味噌汁も可)
  急激な脱水時に点滴の代わりに利用される、スポーツドリンクより塩分量の高い高塩分濃度イオン飲料水は、ぬるま湯500mlに塩1.5gを溶いても代用することができます。

* 心不全では水分制限あり、摂る水分の量は医師の指示どうりにしましょう。       

 

 

能見台きづなクリニック