便秘解消の決め手は、食物繊維
たかが便秘? されど便秘! 快食・快便は気持ちがいいだけでなく、健康の源。便秘になると腸内の細菌が正常な働きをしなくなり、大腸癌の原因にもなります。
便秘解消の決め手は、何といっても食物繊維。水分を吸着して便を柔らかくし、量を増やして排泄しやすくしてくれます。
そのほか、規則正しい食事や排便リズムも大切な要素。生活習慣と食事を改善して、さあ、明日から気持ちよくスタート!
便秘は、こうしてやってくる!
- 排便のメカニズム
口から入った食べ物は、胃→小腸→大腸と通過して直腸に到達。この時、便意をもよおし、無事肛門から外へと旅立ちます。
便意を我慢したり、不規則な食生活を続けると、便意を起こす感度が鈍り、便秘を起こしやすくなります。
また、食物繊維が不足したり、ダイエットで減食したりすると、便も固く、少なくなって、スムーズに排便できなくなります。
- 何日目からが、便秘?
「便秘、便秘」というけれど、どの程度からが便秘なのかは、意外にナゾ。実は、3日以上排便がない状態で、不快な症状があり、日常生活に支障がある場合を便秘と呼びます。
快便生活の食事ポイント
まずは、規則正しい食事を心がけてください。特に、朝食抜きは禁物! そして、食物繊維・水分・適量の油が快便の味方。
朝は必ずトイレに行って、我慢せずに、規則正しい排便リズムを作ることも大切です。
Point1 規則正しく食べてこそ
規則正しい排便を望むなら、まず、毎日の食事から規則正しく!
規則正しく食べてこそ、規則正しく出てきます。
特に、朝食は必ずとりたいもの。胃に食べ物が入ると腸が刺激されて動きだし、スムーズな排便につながります。
Point2 水分を十分に
水分を十分にとることも、快便につながります。日中忙しさにかまけて水分不足とならないよう、お茶などを忘れずに。
また、朝起きがけにコップ1杯の冷水を飲むこともおすすめ。腸を刺激し、排便への合図となります。
Point3 食物繊維が決め手です
食物繊維は水分を吸収して便を柔らかくし、便の量を増やしてくれます。スムーズに排便するには、それなりの量が必要。食物繊維の多い野菜や果物、海藻類をたっぷりとることが、便秘予防の決め手です。
Point4 適量の油をお忘れなく
油は腸での潤滑油となり、便を出やすくしてくれます。ダイエットのために油抜きの食事をとると、便秘につながることが…。適量の油もお忘れなく!
Point5 酸味や香辛料で腸に刺激を
酸味のある食品、香辛料を使った食品も腸に刺激を与え、排便に効果的。また適量のアルコールは腸の刺激になり、便通をよくしてくれます。ただし、ビール小びん1本程度が適当
食物繊維をたくさんとるには
食物繊維を多くとるには、毎日の献立に野菜や海藻類を多く取り入れることが必要。野菜は生で食べるより、火を通して調理したほうが、かさが減ってたくさん食べられます。
メインディシュにも、野菜を
肉や魚など、メインのおかずにも、必ず野菜を加えたいもの。ハンバーグに入れたり、付け合わせにしたり、自然に食べられる工夫を。
たとえば…
- 野菜やおからを加えたハンバーグ
- 刺し身と野菜の盛り合わせ
- 野菜たっぷりのシチュー
肉と野菜のいためもの など
副菜は、必ず野菜や海藻類
食事は、主食・主菜・副菜と用意します。主菜は肉・魚・豆腐・卵など。そして、副菜は必ず野菜料理にします。食物繊維がとれるだけでなく、栄養のバランスが整います。
たとえば…
- 切り干し大根のサラダ
- 昆布やひじきの煮物
- 野菜スープ
- ごぼうのてんぷら
- かぼちゃのスープ(裏ごししない)
ほうれんそうのクリーム煮 など
主食は白米より、繊維の多い穀類を
食物繊維を多くとるには、主食も白米より、七分づき米など繊維の多い穀類がおすすめです。
たとえば…
- 七分づき米
- そば
- オートミール
- 全粒粉パン
ライ麦パン など
豆類・芋類も忘れずに
豆類・芋類には、食物繊維がたっぷり含まれています。副菜には、野菜だけでなく、豆類・芋類もお忘れなく!
たとえば…
- 納豆
- ポークビーンズ
- ゆであずき
- さつまいもとりんごの重ね煮 など
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果物も食物繊維が豊富
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たとえば…
- バナナ
- ネーブルオレンジ
- キウイフルーツ など
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果物にも、食物繊維が豊富に含まれています。おやつはスナック菓子などを食べるより果物にしてみませんか?
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若い女性だけでなく、便秘はお年寄りにも多いもの。年をとると消化機能が低下するだけでなく、食事量全体が少なくなるためです。
(1)お年寄りが食べやすい調理法を工夫してください。たとえば、あげものをおろし煮にするなどの方法で、油料理もさっぱりといただけます。
また、油のとり方が少なかったり、運動不足も原因に…。これまでみてきたような対策に加えて、次のような工夫をしてください。
(2)野菜は細かく刻んでも、栄養効果は変わりません。ミキサーにかけるなどして、お年寄りに食べやすくし、料理にたっぷり使います。
(3)食事量の不足は、間食に豆類・芋類・果物をとって補います。